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KickStartその2(ks.cfg設定ファイルの説明)

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1.はじめに

この記事は、RHEL/fedoraのOS自動インストールを行うKickStartの設定ファイル(ks.cfg)の書き方の詳細です。ネットワーク設定、ディスク設定、パッケージ設定、ユーザ設定、を中心に編集頻度が高そうな項目を説明します。

2.ネットワーク設定

(1)スタティック設定例

enp0s3,enp0s8双方をstaticでネットワーク設定する場合の例です。

# Network information
network --bootproto=static --device=enp0s3 --ip=10.0.2.15    --netmask=255.255.255.0 --gateway=10.0.2.2 --nameserver=10.0.2.3  --noipv6 --activate
network --bootproto=static --device=enp0s8 --ip=192.168.0.20 --netmask=255.255.255.0 --noipv6 --activate --nodefroute 
network --hostname=testserve
  • "--bootproto=static"とすることで、静的設定になります。
  • "--device"で、設定するデバイスを指定します。
  • "--ip"、"--netmask="、"--gateway="でIP設定をします。
  • "--nameserver"で、参照先DNSを指定します。DNSが複数ある場合は、"=x.x.x.x,y.y.y.y"とカンマで区切って指定します。
  • "--noipv6"で、ipv6を無効化します。
  • "--activate"を付けることで、boot時にデバイスが有効化されます。
  • "--nodefroute "は、デフォルトGWと通信しないデバイスに設定します。
  • "network --hostname=xxxx"で、ホスト名を設定します。

(2)DHCP設定例

enp0s3をDHCP設定に変更した例です。

# Network information
network --bootproto=dhcp   --device=enp0s3 --noipv6 --activate
network --bootproto=static --device=enp0s8 --ip=192.168.0.20 --netmask=255.255.255.0 --noipv6 --activate --nodefroute 
network --hostname=testserver
  • "--bootproto=dhcp"とすることでDHCP設定となります。
  • ほかは(1)の内容と同じです。

bonding・vlanと組み合わせた構成は下記記事を参照して下さい。
nopipi.hatenablog.com

3.ディスク設定

インストール時のディスク構成(パーティション、LVM、ファイルシステムなど)を指定します。ディスク設定は、設計したディスク構成になるよう手動で組み直したほうが基本良さそうです。

(1)ブートディスク構成例*1

f:id:nopipi:20160719100545p:plain

(2)上記構成例の場合のKickStart設定
# Specifies used disk for installation 
ignoredisk --only-use=sda

# System bootloader configuration
bootloader --append=" crashkernel=auto" --location=mbr --boot-drive=sda

# Partition clearing information
clearpart --all --initlabel --drives sda

# Disk partitioning information
part pv.295 --fstype="lvmpv" --ondisk=sda --size=1    --grow
part /boot  --fstype="xfs"   --ondisk=sda --size=500  --label=boot
volgroup rootvg --pesize=4096 pv.295
logvol swap  --fstype="swap" --size=256        --name=swaplv --vgname=rootvg
logvol /home --fstype="xfs"  --size=100        --name=homelv --vgname=rootvg --label="home" 
logvol /     --fstype="xfs"  --size=1   --grow --name=rootlv --vgname=rootvg --label="root" 
  1. インストーラが対象とするディスクの指定
    1. "ignoredisk"で"--only-use="オプションを設定すると、指定したディスクのみインストーラの対象になります。
  2. ブートローダの指定
    1. anaconda-ks.cfgから基本編集しませんが、"bootloader"で"--location=mbr"とすることで、MBRブートローダがインストールされます。
  3. ディスクフォーマット(既存パーティション削除)
    1. "clearpart --all --initlabel --device sda"で対象ディスクの既存パーティションを全て削除します。*2
  4. パーティション設定
    1. partコマンドでパーティションを作成します。
    2. パーティション用途指定
      1. ファイルシステムとして利用: "part /boot --fstype="xfs" "と記載します。
      2. スワップとして利用: "part swap --fstype="swap" "と記載します。
      3. LVMとして利用: "part pv.XX --lvmpv" "と記載します。XXは識別番号で任意の数字です。
    3. サイズ指定
      1. 固定サイズ指定:"--size xxx"と記載。xxxはMB単位でサイズ指定します。
      2. 残り容量全て:"--grow"オプションを利用し、"--size 1 --grow"のように記載します。この場合、最低容量1MBで空きがあるだけ確保する設定になります。
    4. その他
      1. "--ondisk="で、パーティションを作成するディスクを指定します。
      2. ファイルシステムにラベル名を指定するときは、"--label=xxxx"で設定します。
  5. LVM
    1. vg作成: "volgroup VG名 --pesize=4096 PVのパーティション"で作成します。
      1. "--pesize":任意のオプションです。LVMのPEサイズをKiBで指定します。
    2. LV作成: "logvol --name=LV名称 --vgname=VG名"で作成します。ファイルシステム、サイズ指定など、他のパラメータはpartコマンドと同じです。
      1. "--name=XXX":作成するLV名称を指定します。
      2. "--vgname=XXX":LVを作成するVGを指定します。

4.インストールパッケージ設定

インストルするパッケージは、下記のように"%packages 〜 %end"のセクションの間で設定します。基本はGUIで設定内容に足りないパッケージを追加するのが簡単です。

%packages
@^infrastructure-server-environment
@base
@compat-libraries
@core
@large-systems
@performance
@security-tools
kexec-tools
telnet
trace-cmd
vim
%end
  1. @で始まるのがインストールするパッケージグループです。
  2. 足りないパッケージを個別に追加します。

5.ユーザ設定

(1)rootユーザのパスワード設定

rootユーザのパスワードは"rootpw"で設定します。パスワードは、(a)平文文字列、または(b)暗号化された文字列で指定できます。

(1)-(a)パスワードを平文で記載する場合

オプション無し、または"--plaintext"オプションを付けることで、平文でrootユーザのパスワードを指定します。その場合、パスワードが丸見えになるので、KickStartファイルの管理には十分注意してください。

rootpw --plaintext "SyokiPass@9999"
(1)-(b)暗号化したパスワードで記載する場合

"--iscrypted"オプションを付けることで、暗号化された文字列でパスワードを指定します。暗号化されたと言っても時間をかければ解読できるので、KickStartファイルの管理はやはり注意してください。

  • "/etc/shadow"に登録する形式で暗号化した文字列で指定します。
  • 暗号化形式は"auth"で指定され形式になります。例えば、"auth --enableshadow --passalgo=sha512"とある場合は、SHA512形式の暗号化になります。
  • 暗号化されたパスワードの作り方は、次項目(2)を参照して下さい。
# Root password
rootpw --iscrypted $6$WYz7GsXMGCHrJnw.$BoSTW/Ac9vaVvjwB0NVg3.sccEh2g7eZhU7c7BRRx/d8Dxoo7UE70EYyhPEBiemPLxB.Pq0StVaoDIWTWLCFx/

(2)指定する暗号文字列をどうするか?

やり方として2例、(a)pythonで生成する、(b)設定したいパスワードが入った"/etc/shadow"ファイルからコピーする、を説明します。なおネットで見るとopensslコマンドで暗号文字列を生成という記事があるのですが、現在主流のSHA512には対応していないので、この方法は取れません。*3

(3)-(a)pythonで生成する

端的に例を説明すると、"SyokiPass@9999"というパスワードをSHA512形式で暗号化する場合は以下のコマンドになります。

# python -c 'import crypt; print(crypt.crypt("SyokiPass@9999", crypt.METHOD_SHA512))'

sha512は、暗号をより強固なものにするため「暗号したい文字列」と「salt(ソルト)」と呼ばれる文字列を組み合わせ暗号化します。上の例では、"crypt.METHOD_SHA512"の部分がSHA512形式のsalt文字列を生成&入力している部分になります。さらにこの例ではsalt文字列を乱数生成しています。*4

(3)-(b)"/etc/shadow"からコピーする

pythonから生成すればいいので、このやり方は実質不要ですが、一旦インストールした後または、適当なユーザを作成してパスワードを設定しshadowファイルから文字列を抜き出します。":"がフィールドの区切り文字になり、第2フィールドが暗号化された文字列のフィールドになるので、ここをコピーして利用します。

#grep '^root' /etc/shadow
root:$6$WYz7GsXMGCHrJnw.$BoSTW/Ac9vaVvjwB0NVg3.sccEh2g7eZhU7c7BRRx/d8Dxoo7UE70EYyhPEBiemPLxB.Pq0StVaoDIWTWLCFx/::0:99999:7:::

6.その他

(1)GUI/textモードの指定

KickStartファイルの動作確認をする場合はグラフィカルのほうが使いやすいかもしれないですが、最終的に何台ものマシンにセットアップする場合は、textモードが早くて良いと思います。

  • グラフィカル(GUI)モードにする場合
graphical
  • テキストモードにする場合
text

(2)selinux設定

selinuxの設定。無効化(--disabled)、有効化(--enforcing)、警告出力(--permissive)を選択します。

selinux [--disabled|--enforcing|--permissive]

(3)サービス設定

サービスの有効・無効設定を行います。カンマ区切りで複数サービスを指定する場合は、スペースを入れるとそれ以降は認識されません。

  • サービスの有効化
services --enabled=SERVICE1,SERVICE2,SERVICE3
  • サービスの無効化
services --disabled=SERVICE1,SERVICE2,SERVICE3

(4)KickStart完了後の挙動

  • リブートする場合:"reboot --eject" ※"-eject"はdvdを排出するオプション
  • 電源OFFする場合:"poweroff"
  • 一時停止する場合:"halt"

7.設定ファイル例

ks.cfgの設定例です。

#version=DEVEL
# System authorization information
auth --enableshadow --passalgo=sha512
repo --name="Server-HighAvailability" --baseurl=file:///run/install/repo/addons/HighAvailability
repo --name="Server-ResilientStorage" --baseurl=file:///run/install/repo/addons/ResilientStorage

# Use CDROM installation media
cdrom

# Select Install mode. graphical:Use graphical install, text:Use text install.
#graphical
text

# Run the Setup Agent on first boot
firstboot --enable
ignoredisk --only-use=sda
# Keyboard layouts
keyboard --vckeymap=jp --xlayouts='jp'
# System language
lang ja_JP.UTF-8

# Network information
network  --bootproto=dhcp --device=enp0s3 --noipv6 --activate
network  --hostname=testserver

# Root password
rootpw --iscrypted $6$WYz7GsXMGCHrJnw.$BoSTW/Ac9vaVvjwB0NVg3.sccEh2g7eZhU7c7BRRx/d8Dxoo7UE70EYyhPEBiemPLxB.Pq0StVaoDIWTWLCFx/
# System timezone
timezone Asia/Tokyo --isUtc
# System bootloader configuration
bootloader --append=" crashkernel=auto" --location=mbr --boot-drive=sda
# Partition clearing information
clearpart --all --initlabel --drives sda

# Disk partitioning information
part pv.295 --fstype="lvmpv" --ondisk=sda --size=1    --grow
part /boot  --fstype="xfs"   --ondisk=sda --size=500  --label=boot
volgroup rootvg --pesize=4096 pv.295
logvol swap  --fstype="swap" --size=256        --name=swaplv --vgname=rootvg
logvol /home --fstype="xfs"  --size=100        --name=homelv --vgname=rootvg --label="home" 
logvol /     --fstype="xfs"  --size=1   --grow --name=rootlv --vgname=rootvg --label="root" 

%packages
@^infrastructure-server-environment
@base
@compat-libraries
@core
@large-systems
@performance
@security-tools
kexec-tools
telnet
trace-cmd
vim
%end

�don com_redhat_kdump --enable --reserve-mb='auto'

%end

# Reboot after the installation is complete.(eject DVD media before rebooting)
reboot --eject

*1:このレイアウトはRHELの推奨構成とはことなります。例えばswapが小さかったりするので注意してください。

*2:"--initlabel"は廃止されたようですが、anacondaが自動生成したanaconda-ks.cfgではオプションが付いているので、そのままにしています。参考→32.4. キックスタートのオプション

*3:opensslコマンドがSHA512で使えない件の参考:sha512でハッシュされたsaltつきパスワードを生成するには – Nobwak's Lair

*4:rhelインストールガイドにpythonの例が改定あるのですが、saltの説明が雑なので、しょうがなくKickstartのコードを参考にしています。anaconda/users.py at master · rhinstaller/anaconda · GitHubの"def cryptPassword(password, algo=None):"を参考にしています。